徳島に四国新幹線はいらない

四国新幹線とは

全国新幹線鉄道整備法に基づく、昭和48年11月15日運輸省告示第466号において、「起点:大阪市、終点:大分市、主要な経過地:徳島市附近、高松市附近、松山市附近」と定められている基本計画路線です。

四国横断新幹線とは

全国新幹線鉄道整備法に基づく、昭和48年11月15日運輸省告示第466号において、「起点:岡山市、終点:高知市」と定められている基本計画路線です。

四国における鉄道の抜本的高速化に関する基礎調査

平成23年11月、四国4県、四国経済連合会、JR四国等で構成する「四国の鉄道高速化検討準備会」が設立されました。
四国の鉄道高速化検討準備会は平成26年3月に「四国における鉄道の抜本的高速化に関する基礎調査」を発行しました。

ケース設定

四国における鉄道の抜本的高速化に関する基礎調査では四国における新幹線のルートとして6通りのケースについて記述されています。

ケース1

四国新幹線の全線、新大阪―徳島―高松―松山―大分を結ぶルート。

ケース2

四国横断新幹線の全線、岡山―高知を結ぶルート。

ケース3

四国新幹線の一部(徳島―高松―松山)と四国横断新幹線(岡山―高知)を組み合わせた案。
岡山から瀬戸大橋を経由し、宇多津で分岐して、松山、高知、高松・徳島の各方面を結ぶルート。

ケース4

岡山―松山を結ぶルート。

ケース5

岡山―徳島を結ぶルート。

ケース6

岡山―高松を結ぶルート。

所要時間

ケース1の所要時間

瀬戸大橋経由の所要時間(ケース2~6)

四国内の所要時間

事業費の設定

事業費は以下のとおり設定されました。

基本単価

近年開業した新幹線の建設費を参考とし、1㎞あたり50~65億円に設定。

瀬戸大橋および大鳴門橋の整備費の単価

「ミニ新幹線鉄道研究調査報告書 ―高松~岡山間への導入について(2)― 平成4年3月」において設定されている単価を採用。
1㎞あたり50億円に設定。

大深度地下トンネルの単価

新大阪側25㎞は大深度地下トンネルを想定。
「成田・羽田両空港間及び都心と両空港間の鉄道アクセス改善に係る調査(平成23年3月)国土交通省鉄道局」を参考に1㎞あたり210億円に設定。

海底トンネルの単価

紀淡海峡・豊予海峡は海底トンネルを想定。
青函トンネルの総事業費を参考に1㎞あたり170億円に設定。

区間の事業費

新大阪―徳島

松山―大分

岡山―宇多津

宇多津―高松

徳島―高松

宇多津―松山

宇多津―高知

四国新幹線整備促進期成会による四国新幹線構想

2017年7月6日、四国4県や四国経済連合会などで構成される「四国新幹線整備促進期成会」が設立されました。
四国新幹線整備促進期成会は「四国における鉄道の抜本的高速化に関する基礎調査」のケース3をもとにした構想での四国新幹線誘致活動を行なっています。

ルート

岡山を起点として、瀬戸大橋を経由し、宇多津付近で松山・高知方面と高松・徳島方面へ分岐します。
松山・高知方面の路線は伊予三島付近で松山方面と高知方面へ分岐します。

整備延長

302km

概算事業費(車両費含む)

1.57兆円

費用便益費(B/C)

1.03

経済波及効果

169億円/年

所要時間

新大阪からの所要時間

東京からの所要時間

四国4県間の所要時間

徳島に必要なのは四国新幹線ではなく南海電車の延伸

東京・大阪からのアクセスに四国新幹線は選択肢にならない

四国新幹線整備促進期成会のホームページやパンフレットには、東京や新大阪から徳島への所要時間が記載されています。
東京や大阪から徳島へのアクセスに四国新幹線が利用されることを想定しているのでしょうか?
四国新幹線整備促進期成会の構想による四国新幹線は瀬戸大橋経由です。
東京や大阪から徳島へ行くのに瀬戸大橋を経由することは、遠まわり過ぎて選択肢にも入りません。

他の地域に例えると、

現状、東京から徳島へのアクセス手段は羽田空港―徳島空港間の飛行機、または東京駅から新神戸駅まで新幹線、新神戸駅から高速バスを利用するというのが合理的なルートです。
大阪から徳島へのアクセス手段は明石海峡大橋経由の高速バス、または南海電気鉄道の特急サザンと鉄道連絡船を乗り継ぐというのが合理的なルートです。

大阪へのアクセスを改善するなら南海電車の延伸

現在、四国と本州の間は瀬戸大橋経由の鉄道路線で結ばれています。
でも、かつては徳島と本州の間と同じように鉄道連絡船で結ばれていました。
四国と本州の間が鉄道で結ばれたのは1988年4月10日のことです。
瀬戸大橋の開通により、本州と四国が鉄道で結ばれたことで四国から本州への所要時間は大幅に短縮されました。
四国新幹線が開通すると、四国から本州への所要時間はさらに短縮されることでしょう。

一方、徳島と本州の間は依然として鉄道連絡船が運航しています。
しかしながら、四国と本州の間のように徳島と本州の間にも鉄道を通せば、徳島から本州への所要時間は大幅に短縮できます。
具体的には南海電車を淡路島・徳島へ延伸すれば、大阪へのアクセスを改善できるのです。
さらに将来、なにわ筋線が開通すると新大阪駅を経由した新幹線連絡が実現し、名古屋・東京方面へのアクセスも改善できます。
また、関西空港への所要時間も短縮されるため、徳島・淡路島から日本各地や世界各地への所要時間も短縮されます。
距離や運賃はもちろんのこと、所要時間の面でも南海電車の延伸のほうが四国新幹線よりも優位です。
例えば、徳島港―難波間の所要時間は約1時間27分です。
これは、四国新幹線の徳島―新大阪間の所要時間1時間35分よりも短いです。
私鉄特急よりも遅くて高い四国新幹線などいらないのですよ。

南海電車の延伸の詳細は下の画像をクリックしてください↓

紀淡海峡経由の新幹線の欠点を補う南海の延伸

全国新幹線鉄道整備法の四国新幹線の新大阪―徳島間の欠点として大阪府内の用地買収が困難なことから大深度地下トンネルとなり、建設費が高くなる欠点があります。
一方、南海の延伸だと多奈川までは線路が通じているため、大阪府内に路線を新設する必要がありません。

また、紀淡海峡部分ですが、過去の事例から長大橋建設には建設費が高いと思われがちですが、紀淡連絡道路と共用とする鉄道道路併用橋とすることで、建設費を圧縮することができます。
紀淡連絡道路の建設費は2002年時点での試算で3500億円から4000億円程度と見込まれています。(財団法人海洋架橋調査会発行「海峡横断Vol.18」参照)
ただし、これは道路単独橋の場合ですので、鉄道併用橋だと鉄道部分の建設費が上乗せされます。
しかしながら、上記の試算は2002年時点のものですので、現在の技術レベルだとさらに建設費を圧縮できるでしょう。

名古屋・東京へのアクセスには新幹線も必要

目的地が大阪程度の距離であれば、徳島と本州を結ぶ鉄道は南海の延伸だけ十分ですが、名古屋・東京への距離となると新幹線が必要となってきます。
つまり、紀淡海峡経由で徳島と関空・新大阪を結ぶ新幹線が必要です。

新幹線を整備する場合、紀淡海峡と鳴門海峡はトンネルであることが必要です。
陸上と比べ海上は風が強く、とくに海峡部分はさらに風が強いため、海上を渡る橋は通行止めになりやすいです。
通勤・通学などといった、日常利用が多いと予想される南海の延伸に対して、新幹線はビジネス利用が多いと予想されます。
商売というものはタイミングを逃すと大きな損失を生み出します。
だから、風ですぐ止まる新幹線は役に立ちません。
したがって、新幹線はトンネルである必要があります。

また、従来の新幹線では勾配に弱いため、トンネル延長が長くなり、建設費がかさむため、勾配に強いリニアモーターカーが適しています。
これは、新大阪での乗り換えによる時間のロスをなくすためにも必要です。

今までの新幹線はすべてJRの路線です。
ただ、徳島にとって重大な問題なのはJRの前身は国鉄であることです。
国鉄には徳島の本州連絡の大動脈である小松島線を廃止したという前科があります。
そんな事業者に徳島の新幹線の運行は任せられません。
徳島の本州連絡を長年営んでいる南海が事業者として信用があり、適任であります。

徳島の地理的優位性を生かそう

東京・大阪・名古屋といった三大都市圏は徳島の東側にあります。
一方、四国は徳島の西側にあります。
つまり、徳島の強みは四国に対して三大都市圏への距離が短いという地理的条件なのです。

しかしながら、現在の徳島は地理的条件の強みを生かせていません。
その元凶は明石海峡大橋(神戸淡路鳴門自動車道)です。
徳島から大阪以東・以南へ行くのに明石海峡大橋経由は遠回りです。
例えば、大阪―徳島間の距離だと、明石海峡大橋を経由する高速バスのなんば高速バスターミナル―徳島駅前間の距離は148.8kmであるのに対して、南海フェリーと南海電車の難波―徳島港間の距離は128.0kmです。
また、関西空港―徳島間の距離だと、明石海峡大橋を経由する高速バスの関西空港―徳島駅前間の距離は178.0kmであるのに対して、南海フェリーと南海電車の関西空港―徳島港間の距離は102.8kmです。
しかも、神戸側の道路は首都圏を除く地方で一番渋滞がひどい阪神高速3号神戸線なので、時間が読めないためビジネス利用に適していません。
したがって、徳島には本州への最短ルートである、南海の延伸と紀淡海峡経由の新幹線が必要なのです。