昔は徳島から関空まで1時間24分で行けた
現在、徳島から関西国際空港へは南海フェリーと南海電車を乗り継いで約3時間(和歌山港、泉佐野での乗り換え時間含む)かかりますが、昔は1時間24分で行くことができました。
なぜなら、徳島港から関西国際空港まで高速船が運航していたからです。
徳島港と関西国際空港を結ぶ高速船は、もともと徳島港と大阪の天保山を結んでいた徳島高速船が関西国際空港の開港にあわせて、関西国際空港に寄港するようになったのが始まりです。
現在の半分以下の所要時間で徳島港と関西国際空港を結ぶという利便性の高い航路でしたが、2000年3月1に廃止されてしまいました。
廃止のきっかけは高速道路の開通でした。
1998年4月5日、神戸淡路鳴門自動車道が全線開通しました。
同日、徳島高速船は廃止となりますが、翌日の4月6日より、新会社の徳島関空ラインが徳島港―関西国際空港―天保山の航路を引き継いで運航を開始いたしました。
しかし、徳島港―関西国際空港―天保山の航路には問題点がありました。大半の利用客は徳島港―天保山間を乗り通しており、徳島港―関西国際空港間の乗客だけでは採算が取れなかったのです。
また、神戸淡路鳴門自動車道が全線開通したことで徳島から大阪へはマイカー利用ができるようになったほか、高速バスという新たな交通手段が登場したため、徳島港―天保山間の乗客は減少してしまいました。
徳島―大阪間の所要時間では徳島関空ラインのほうが高速バスよりも優位でしたが、高速バスは高速船よりも少ない乗客数で採算がとれるという強みがありました。
ちなみに、高速船の旅客定員は300人ですが、高速バスは40人です。
徳島関空ラインは徳島港―天保山間の乗客数の減少により採算が取れなくなった結果、2000年3月1に廃止となりました。

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公開日:2023年06月01日
最終更新日:2023年12月07日